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玄楽 – 日本の童謡|ジャパンイラストミュージック

古くから膨大な数を誇り、ドイツらしい高品質なプロダクション・ミュージック・ライブラリーと名高い「SONOTON」レーベル。日本の選曲家ならばSCDと聞いて、知らない人はモグリであろう。そのSONOTONを日本国内で管理しているジャパンイラストミュージックが「日本の童謡」をテーマにステムデータを含んだ2枚組の新譜をリリースしている。

 

玄楽 – 日本の童謡|ジャパンイラストミュージック

ここで特筆すべきは、やはり、「ステムデータ」を収録した点だろう。

我々、劇伴を扱う立場としては当たり前だが、このステム、英語では「STEM」つまり「茎」のこと。要するに完成品のミックスから大まかに「枝分かれ」したグループミックスの事を指す。劇伴の場合、色々な長さに編集する必要がある、その場合にストリングス等の「かぶり」が発生したりするケースを、このステムトラックを組み合わせることで回避できるのである。そして、例えばリズムセクションをミュートしたり、ストリングスパートをオンリーにしたりと応用範囲はかなり広がる。この便利なステム利用も、海外のライブラリーではよく見かけるが、日本の、しかも純邦楽では珍しいケースだ。

ネーミングも「ステムマッチシリーズ」と題しているので、これから様々な音源が出てくるのだろう。

ステムの効用は、先ほど挙げた、「かぶり回避」、「別ミックス」の他に曲の構成変更(リミックスも可能)が容易になるという利点もある。

イントロ、もしくはAメロからスタートして当たり前と思われている曲、そういう曲の「サビのメロディ」や「Bメロ」をスタートメロディとして構成変更が可能になるのもステム利用の効用だ。(サビメロをイントロに持ってくるケースは常套手段だ。)

このスタートメロディの変更は劇伴としてかなりの効果がある。曲によっては、始まる音階が違うだけで同じ曲なのに印象がガラリと変わる、しかもステムを使うのでミックスの印象も変えることが出来る。そんなポテンシャルを持ったこのステムマッチシリーズはなかなか期待できる。

ただし、ステムを弄ってまで形にする作業は、それなりに手間がかかるのも事実。

丁寧なミックスが出来る選曲スタッフに使ってもらいたいものだ。

 

 

 

 

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