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嗜好品と洗脳、その関係性。

「タバコ、辞めてみるかぁ」、何か突然そう思った。一分後には身の回りのタバコグッズをゴミ箱に捨てていた。僕自身、ヘビースモーカーである事に違いないのだが、今までに「禁煙」と言うイベントに挑戦した事が無い。つまり、ヤメる気がさらさら無いということだ。突然ヤメたいと思ったのは現状を変えたいと思ったからなのだが、それに加えて自分自身においてタバコという存在がどの程度重要な意味をもっているか、その依存度も試して見たかった。
 
そして、それと同時に一冊の本も手にしていた。
 
Amazon.co.jp: 読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー (ムックセレクト): アレン・カー, 阪本 章子: 本
 
「読むだけでヤメられる」、この類いのフレーズは書店でよく見かける。「聴くだけで出来る英会話」や「〜だけで痩せられるダイエット法」、英会話とダイエットは書店売れ筋カテゴリーのトップ10に入るのだろう。禁煙に関してのテラピー本はあまり見かけないが、読むだけで禁煙出来たら苦労する人も少ないはずだ。
 僕の場合、禁煙という試みが初めてなので失敗した経験が無い、当たり前である。多少の胡散臭さも感じつつも、本書を読んでみた。面白いことに著者のアレン・カー氏はこの本で喫煙に関する悲惨な事例を紹介する訳でなく、むしろ「タバコを吸いたい」と感じるのは単なる洗脳であり、様々な原因でそうプログラムされてしまったに過ぎないと解いている。そしてタバコがいかに無意味であるか、「そこまでして吸いたいですか?」と語りかけてくる。つまりこの本は煙草を吸う前の状態に戻すべく、「逆洗脳」してくれる良書である、脱洗脳と云うべきか。
 
 さらに面白いのがこの本を読んでる最中は「煙草を吸ってもいいですよ〜、最後の一本はまだ後でいいですよ〜」と語りかけてくる。先にタバコグッズを捨ててしまった自分はこの時点で少し惜しい気分になったが、不思議な事に半分も読まないうちにタバコを吸いたいと思わなくなった。つまり、「本数を減らす」とか「電子タバコに切り替える」とか「ニコチンガム等を処方される」なんてことは全て無意味で、洗脳さえ解いてしまえば一気に辞めることができるという事である。もし禁煙で苦しんでいる人がいるならば、「タバコ未経験時代」に逆洗脳してくれる本書をお勧めする。ほんとうに辞められると思う。
 
 さて、そういった洗脳というキーワードを音楽に利用するケースもある。ヒトラーがワーグナーの音楽を使って群衆を鼓舞したり、様々な宣伝効果に音楽が巧みに利用されていたのも事実である。また、音楽療法として使われるケースもある。人は音楽に感動する時、脳内では快感をもたらす神経伝達物質が放出されているらしい、特にドーパミンやセロトニンといった科学伝達物質が脳に刺激を与え、うつ病などに効くとされている。詳しいことは記述しないが、このジャンルの研究はかなり進んでいて興味深い。さらに映像に関しても、少し前に「サブリミナル効果」なんてモノが問題視され、その後、テレビ業界では細かいフラッシュを使った映像はご法度になった。ただし、その規制は番組内だけであり、コマーシャルはその限りではないという事実はあまり知られていない。 
 タバコにしろ音楽にしろ、嗜好品にはこういった洗脳というキーワードが密接に絡んでいるような気がする。自分の気づかないところで巧みにプログラムされないように、予防策として、この種の知識も身につけておきたいものだ。そして、決して悪用しないように心がけなければならない。 
 僕の場合、今、禁煙できたと思っていても、いつまた洗脳されるか分からない。例えば禁煙中は「ちょっと一本だけ吸ってみようかな?」とか思う事が多いらしい。しかし、それこそ洗脳プログラムの始まりであり、すべての喫煙者の第一歩なのである。それはつまり、自己の意志の問題ではなく洗脳の始まりなのである。
 
身の回りの洗脳トリガーには気をつけよう。

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